ブルートレイン再修復プロジェクト2017!

昨日、香りを使うことは物事のスピード感が格段に速くなる!!!

の詳細は明日~と書いて締めたのですが、今日はとんでもないニュースが飛び込んできたので、先にお伝えさせていただきます!

 

【福岡市貝塚公園ブルートレイン保存車両ナハネフ22 1007 再修復プロジェクト2017】

 

要するに、ブルートレイン復活のためのクラウドファンディング

なんと返礼品の製作という形でかかわらせていただくことになりました。

(いや、知らない間に始まってましたけど…汗)

 

題して『国鉄の香り』!!!

 

はっ???

 

って思いました?

よね(;^ω^)

はい、正解です☆わたしなんて、最初お断りしましたもん。無理ですっ!ってww

 

なぜ、無理だと言ったのか。

無理だといったはずが、どうしてこうなったのか?

せっかくなので、書いておきます。

 

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ブルートレインの香りを作ってくれる人を探してるって言われたんだけど、できます?」

 

吉田くんのフリはたいがい無茶なことが多いんだけど、

それにしてもこのフリは突拍子もなかった。

 

”なんか楽しそうだねー♪ブルートレインをイメージした香りだよね?”

 

「ううん、ちがう。ブルートレインの香り!」

 

はぁ?なに?

 

「車内の香りを再現したいのだそうですよ。できる?」

 

え?えぇぇぇっと…。車内の香り?それ、誰が欲しいの?

 

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たとえば、ブルートレインをイメージしたフレグランス…だったら作れます。

クライアントと一緒にイメージを細かくすり合わせていけば、

希望通りのものが絶対にできます。

 

ただ、再現となると、現物が『ある』ことが前提。

食品用の香料会社の方と話した時、現実に存在するモノであれば

100%作ることができるのだと聞きました。

それがどんなに、臭いものだろうと、繊細な香りであろうと。

 

ただ、『ない』ものは100%作れない。

たとえば、風の香りとか、春の香りとかは、あるにはあるんだけれど

人の心の中にあるのであって、モノとして形が存在するわけではない。

もともとないものなんだから、『再現』することができない。

 

だから、1回お断りさせていただきました。できません…って。

 

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「やっぱり何とかお願いしたいって言われるんだけど…できない?」

 

吉田くんは押しに弱いので、ついうっかりもう一度引き受けてしまったらしい。

 

”うーん。あの後もちょっと気になってたから、いろんな人に聞いたんだけど

だれもオモシロイ!って言わないのよねww わたしはアーティストじゃないので

湧き上がるもので作品を作るってことはできなくて、

依頼主の生活を改善するようなモノで

ちゃんと使ってもらえるモノでないとつくるの嫌なんだよねー。

嗅いで、ふーんで終わるようなモノは作りたくないのよ。

芸術の部分だけで満足するようなモノには、全然興味ないので!”

 

他の提案をして差し上げたら?フレグランスなら作るし。

と言って電話をきりました。

2度目のお断り。

 

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こんなに偉そうな理由で2回もお断りしたのに、

どういう了見か、どうしてもやってほしいらしい…と譲りません。

吉田くんがちょっと気の毒になってしまい、

とりあえず一緒にブルートレインが展示されている

『リニア・鉄道館』に視察にいくことにしました。

そこでできなければ、ホントにできないでしょう。

一か八かやってみますか。

 

 

リニア・鉄道館には初めて行きました。

広い倉庫のような展示場に

新幹線やいろんな車両が横並びにずらーーーーーっと並んでいて

ものすごいテンションがあがってしまい、吉田くんに若干ヒカれました(笑)

 

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社会見学と思しき小学生に混ざって

電車の中を見学。

 

この、電車のニオイ…空気感…を香りで再現する!?

 

ところが、いざ、座席の展示スペースに行ってビックリ!!

 

ニオイ…全く感じませんっ!

なぜなら、人の出入りが多すぎて、汗のニオイ、整髪料のニオイ

極めつけはご婦人の香水のニオイで、車両のニオイなんて全くしないのぉ(´;ω;`)

 

どうする?どうする?

 

そのうえ、展示物なので当然なのですが、出入り口が開けっ放しのため、

もともとあった香りがどんどん消えていく…。

 

ヤバイ!

 

一旦出て、鼻を使わずに口で呼吸をして鼻をお休みさせ

小学生もおばさまもいなくなったところでもう一度入場。

そうして意識を集中すると、香りも戻ってきました。

 

ふんふん。なるほど。なるほど…。

 

展示スペースは限られているので、その狭い場所をクンクンクンクンしながら移動。

完全に怪しいヒトですwww

 

完全に!怪しいヒトですっwww

 

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その後、覚えているうちに隣の建物のフードコートに移動し

おもむろに道具をだして嗅いだばかりの香りを作る。

 

国鉄を知らないわたしは

ブルートレインの車内のニオイがどんなだか、想像もできませんでしたので

自分の持っている香料を全部かついでいきました。約200種類ww

 

調香をする時は、周りのニオイをすべてできる限りシャットアウトするのが

鉄則なのにも関わらず、隣でコーヒーをすすりながらカレーパンを食べる吉田くん。

 

とりあえず、「ぽいね!」と言われた2種類をボトルにつめて

とりあえず、形にしてみることができました。

やれやれ~。

 

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数日後、返ってきた答えが

「爽やかすぎる!」

でした。

 

天然香料の限界を、いきなり見せつけられました…orz

 

仕上がりが『さわやか』になるのは、ある意味当然のことなのです。

専門的な話をすると、精油の芳香分子の分子量は非常に小さく

軽いものがほとんどなので、香って瞬間的に消えていきます。

 

分子量が大きくて重ければ、長く香るし、感じ方も重くもったりした

感覚になるかわりにどっしりとした落ち着きも感じられます。

 

今回使用した精油の種類は、比較的重いものも軽いものもバランスよく

含まれていましたが、それでもやっぱり植物香料は分子量の小ささゆえの

軽さ=さわやかさ につながるのです。

 

ここから、長い長い、ブルートレインとの戦いが、静かに続いていきました。

 

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「もっと、なんていうかなー。エグいニオイっていうの?

 もっと、変なっていうか、クセを出していいらしい。」

 

うーーーーーーん。

それって、熟成が必要よね。

 

でも、短時間でどうやって熟成させるの?

 

これは、ホントに悩みました。

 

そんな時仲良くさせていただいているお姉さまが

「それってさ、時間をなんとかすればいいってことよね。」

とつぶやきました。

 

え?なにそれ?

って思ったけど、うん、まぁ、そういことかな…と言いつつ

方法はわからず。

タイムマシーンなんて、ないし。

どうすればいいの!?

 

でー、そこでー。

とある、秘密兵器を手にいれていて、

実はそれは全く別の用途で手に入れたばっかりのものだったのですけど

これ、いいんじゃない?ってことで使ってみたところ…

 

え?マジですか?

ってくらいにあっという間に熟成が進んでくれました。

ビックリ!!!

(あ、詳しくはご勘弁くださいねw)

 

ところが…

 

「1回目のさわやかさと、2回目の独特な感じが合わさるとベスト」

というクライアント様からのご回答。

 

……orz

 

軽くて、重い…みたいな。

爽やかで、エグい…みたいな。

 

ますますどうしたらいいのやら…orz

 

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「どぉ?できそう?」

電話の向こうの吉田くん。のんきでいいよねー(笑)

 

もうね、ここまで来たら、半分意地で、半分職人魂にかけて

やるしかないじゃん!!!

 

「熱いねwww」byよしだ

 

てっめー!!!(怒)

 

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結局、どのようにしてたどりつかせたか、詳しく書くのは非常に難しいので

ここでは割愛します。(調香の研究グループでは教えるかもしれないけど)

ただ、頭で考えたことだけで

自動的に成功にたどり着くことはほぼないってことだけは言えます。

 

そして、ここまでやって、初めてわかったことは

『有形無形に関わらず、完成品のイメージを、ゴールを、しっかりきめて

進んでいくこと』が絶対的に必要だということでした。

 

今持ってるものは出し切って、でも、ひょっとしたらまだ手はあるかもしれない…と日々悩みながらも完成品として落ち着かせ、

クライアント様にお届けして、ご感想を待つまでの間はちょっと緊張しました。

 

「これこそ国鉄の香り!そして安らぎを感じます。」

 

という最上級のお褒めの言葉をいただき、

わたしのブルートレインチャレンジは終了しました。

 

 

 

正直言うと、めっちゃ疲れました(笑)

ものすごい試作をしたし、フルーティーでもフローラルでもなく

なにせ「国鉄の香り」を嗅ぎ続け、頭の中四六時中電車が走っている(笑)

 

それでも、本当にいい経験をさせていただくことができました。

クライアント様の国鉄にかける熱い気持ちに、

逆に若干火傷気味にさせられながら、それでもその熱い気持ちに

動かされ、これまで『できない』と言っていたことを、やり終えた自分がいます。

 

これはもう、感謝以外の言葉がでてきませんでした。

今はただ、本当に本当に、ありがとうございましたとお礼を言いたいだけで。

 

そうしたら、最後の最後に吉田くんが

「こんな記事にしてくれたよー」と、スクショを送ってくれました。

 

すぐ拝見させていただき、そこでビックリしたのが…

 

もう、クラウドファンディング始まってんじゃんっ!!!!!

 

ヤバい!これ、売れてるかどうかわかんないけど

立派な返礼品として登録されてんじゃん!!!!!

 

 

 

そういうわけで、長くなりましたが、『わたしとブルートレイン』という題名で

もし作文を書くことがあれば、世の中の99.99999・・・・・%の方は

列車愛だとか、家族との思いでを語ると思うのですが

 

 

 

世の中の、ただ一人だけ、「ブルートレインの車内の香りを作ったよ」

というお話になり、珍し過ぎて先生の目にとまり、きっと賞状の1枚くらい

もらえたかな???という、調香の中でもとっても貴重な体験をさせていただいたお話でした。

 

文中ではさんざんDisった吉田くんですが…

いつも無理難題を放り投げつつ、でも最後まで信頼して見守ってくれてありがとう。

 

鉄道を愛してやまない方

国鉄の香りを試してみたい方

ぜひ、ぜひぜひ♡ご協力をおねがいいたします!!!

 

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