小さな人々から学ぶこと。
毎年、5月の放課後学級は
1年生希望者全員ご招待日と
2年生以上の通常講座の二本立て。
1年生に「アロマテラピーを教える」のは
わたしの技術ではとっても難しいので
「レモンのすっごいヒミツ知りたい人おいでー!!!」
と言って誘い出しますw
レモンの、あの酸っぱい香りはどこに隠されているのか?
半分にカットして果肉のニオイを嗅いでみたり
皮をむいてつぶしてみたり。
「てがべとべとするー!!!」
果皮を指でつぶすと、果皮に含まれる油包がつぶれて黄色い液体が手につきます。
それが香りの正体だとわかると、みんなビックリ。
今度は、校庭の隅に生えていたクローバーをむしって
まずはそのままニオイを嗅ぎます。
べつに、なんのニオイもしないよね。
次に、一旦ギュッとにぎりつぶしてからニオイをかぐと
「なんか、はっぱのにおいするー!!!」
そうそう。
葉っぱの裏にあるニオイのカプセルがはじけてはじめて
葉っぱのカオリがするんだよ。
「すごーい!!」
4年生のお姉さん3人がお手伝いしてくれました。
・・・
わたしが目指す、「公立小学校での嗅覚教育」というのは
なにもメディカルアロマテラピーを教えたいわけではなくて
つまりはそういうこと。
嗅覚を刺激するってことは
精油を使うことだけじゃない。
アロマテラピーっていうのは、芳香療法と訳されるから
香りを使って心や身体のケアをすることなのですが
日々の暮らしのなかにある「ニオイの感覚」を意識することこそが
小さな子どもにとっては大切なんじゃないかと思っています。
プラス、せっかく日本に生まれたんだから
日本の文化に沿った伝統行事とか、季節の行事とかと合わせて
もっともーっと、五感をフルに使うきっかけを作りたい。
そんな体験を提供し続けたいと思っています。
・・・
さて、2年生以上の今月の課題は『母の日』でした。(教室は母の日の3日前でした。)
普段から、作品ができると「これママにあげよー♡」という子が多いのですが
今月はそれぞれ思い思いに作った折り紙に香りをつけて渡すことにしました。
わたしの受け持ち時間は、手さえ動かせばどんなにお話ししてもいいのですが
今月の話題の中心は月末に迫ってきた運動会に。
今2年生で頑張っている子のお姉ちゃんは、やっぱりずっとアロマの講座に出ていてくれたのだけど、6年の時は応援団長でそれはそれはかっこよかったんだよー!とか、
〇〇ちゃんはダンスを習ってるから上手なんだよーという女の子に、でもあなたはダンス習ってなくたって、去年誰よりもいい笑顔で踊ってたから、先生は誰よりもステキだと思ったよー!証拠だってあるよー!って写真を見せてあげたりとか
ソーラン節は裸足だから嫌だーとか
わたしは紅組だー、僕は白組だー
やれ私は何を踊る、踊るときは前から3番目の右から2番目だからその近くで観てくれーやらで大盛り上がり。
結局、お迎えの時間ギリギリまでかかってしまい、問題は母の日までどうやって隠すか。
そして、今まさに迎えに来ようとするママに見つからないようにするにはどうするか?と知恵をしぼる彼ら。
もぉね、可愛くてたまらないんですよ(*ノωノ)
結局、ソッコーでランドセルにしまう!というベタな解決法になるのもまた、可愛い。
・・・
放課後の講座は申込参加制のため、どの講座も基本的に1回完結なのですが
アロマは毎年1月のお祭りにむけてチームを作っていくため
飽きさせないように、また、ここを子どもたちのホームのひとつにするように
いろいろな試みをしています。
そのおかげで95%以上がリピーター。
でも、比較的小さな学校のためみんな友達だから、初めて来てもすぐに仲間です。
そんな中、1年生からずっと来てくれていたけど、部活に入ってから姿を見せなくなった5年生の子がキラキラしてました。
穏やかで、面倒見がよくて、かわいい子だと思ってましたけど
久しぶりに来てもやっぱり動きが同じ。
久しぶりに来たっていう遠慮もないし、
でも5年生だからっていう出しゃばった感じもないし
何にも指示しなくてもさりげなく下級生のフォローをしてくれて
最後は片付けまで完璧にして、お辞儀をしてご挨拶までして帰っていきました。
そんな姿を見せられて、感動しないわけがありません。
じぃーーーーーん(´;ω;`)
それぞれに大きくなっていく姿
いろいろなことができるようになっていく過程
反抗期に突入する様子・・・
一人しか子どもがいないわたしに
沢山の子どもたちが、いろんな姿や成長の様子を見せてくれます。
子どもなんて・・・なんて言っちゃいけないとは思いますが
生意気で当たり前で、できなくて当たり前で、行儀が悪くて当たり前で
挨拶なんてできなくて当たり前で・・・
くらいに思っておかないと、先生なんてやってられませんww
(すみません、わたし教育者でないので、言いたい放題言います。自分の子には断じて許しません。)
言えばわかること。
ちゃんと具体的に指示すればできること。
大きくなって、年齢が追い付けば自然にできること。
愛情をかけられていることに気付けばできること。
できないことなんてなんにもない。
毎月毎月、小さな仲間たちと関わり合っていると
日々成長しかない彼らから教わることばかり。
励まされることばかり。
ボランティア講師なんていう肩書ではありますが
先生は、完全に彼らの方だと思います。
これからも自分の弱さに負けずに行こう。
夢は、叶えると決めたら必ず実現するんだから!
そんな、毎日です。